今回は短い記事。ミステリのネタバレを含むためにメインブログの『kojitakenの日記』ではなくこちらで取り上げる。
あの「稀代の悪書」が300万部、その「作品」を含む著者の本が1億部とは、世も末だな。
以下朝日新聞デジタルより。
東野圭吾さん著作が1億部突破 「容疑者Xの献身」は約300万部
2023年4月3日 13時39分
作家、東野圭吾さん(65)の著作の国内累計発行部数が1億部を突破した。3日、講談社など関係出版社が共同で発表した。東野さんは1985年、江戸川乱歩賞を受けた「放課後」でデビュー、2006年の直木賞受賞作「容疑者Xの献身」は累計299万3千部のベストセラーに。今年3月に100冊目となる「魔女と過ごした七日間」を刊行し、累計発行部数が1億7万7380部となった。海外では37の国と地域で出版され、推定累計発行部数は約6800万部に及ぶ。過去に国内で1億部を突破した作家には赤川次郎さんや西村京太郎さんらがいる。
東野さんは「まさかの到達に私自身が一番驚いています。もちろん最大の功労者は、私の物語世界に付き合ってくださる読者の皆様です。ありがとうございます」とコメントを発表した。
(朝日新聞デジタルより)
最初に「稀代の悪書」と書いたのは、記事にも書かれている東野圭吾の『容疑者Xの献身』のことだ。弊ブログではもう何度も批判エントリを上げた。
この「ミステリ」については下記出水薫氏のツイートに尽きる。
ここで話題になっている東野圭吾『容疑者Xの献身』は読んだ。というか、それを読んで、東野さんの作品は読もうと思わなくなった。この記事で明かされている渡辺純一さんと共通する理由。物語展開だけのために殺されるホームレスの描写が許容できなかった。 https://t.co/RDM1umdg9R
— 出水薫 IZUMI Kaoru (@kizumi1964) 2023年3月6日
上記出水氏のツイートはまともな読後感だが、私は出水氏とは違って執念深い性格なので東野を批判する目的(だけ)でしばしば東野作品を読み、特にひどい作品は弊ブログでこき下ろしている。
東野作品はミステリとしてはアガサ・クリスティらの先人に多くを負っていてたいした独創性はないが、その数少ない独創性を発揮したのが『容疑者Xの献身』だとはいえる。そりゃあんな邪悪なトリックというか物語展開を思いつくミステリ作家はそうそういないに違いない。