KJ's Books and Music

古寺多見(kojitaken)の本と音楽のブログ

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

子ども時代にリライト版を読む前からネタバレを食ったガストン・ルルー『黄色い部屋の秘密』をようやく完読した

ミステリのネタバレは今では禁物とされているけれども昔は横行していた。私が小学生時代に子ども用にリライトされた版で読んだガストン・ルルーの『黄色い部屋の謎』も犯人を知らされた上で読んだから興味は半減だった。 この作品を自作のミステリ『複数の時…

宮部みゆき『小暮写眞館I〜IV』(新潮文庫nex,2017) を読む

私が現在住む東京都江東区出身のミステリ・歴史小説作家で私と同世代の宮部みゆきが2010年に書いた非ミステリの現代小説である『小暮写眞館』を読んだ。もとは講談社の創業100年を記念して2010年に刊行された作品とのことで、700ページを超える分厚いハード…

トルストイ「クロイツェル・ソナタ」を読む (第2回) 「クロイツェル・ソナタ」とアガサ・クリスティのとある中篇(短篇)小説とシェイクスピアの『オセロ』

少し間が空いたが、7月23日に公開した下記記事の続き。 kj-books-and-music.hatenablog.com トルストイの中篇「クロイツェル・ソナタ」は、妻の不貞を疑った夫が、仕事のために外出して空けているはずの家に帰ってきて、疑っていたヴァイオリニストが妻と一…

東野圭吾『レイクサイド』(2002)のあまりの腐臭にげんなりした

予定を変更して東野圭吾の「腐敗した」という感想しか思い浮かばない邪悪なミステリ『レイクサイド』(文春文庫)をぶっ叩くことにした。私は『容疑者Xの献身』(文春文庫)を読んで以来東野圭吾が大嫌いだが、たまに東野を批判するためだけに東野の小説を読…