KJ's Books and Music

古寺多見(kojitaken)の本と音楽のブログ

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

原武史『皇后考』と『平成の終焉』を読む

新元号が明日(4/1)に発表されるらしいので、その前に公開した方が良いと思って急いで記事を書くことにした。 今月下旬に岩波新書から原武史の『平成の終焉』が出ると知って、長い間積ん読にしてあった同じ原武史の『皇后考』(講談社学術文庫)を読むこと…

星野智幸『呪文』を読む

しばらく前に、私が購読しているブログで下記の文章にお目にかかった。 sumita-m.hatenadiary.com 鴻巣さんは「若い彼らは「顔が青いよ」とおなじように、「その答え、ちがいよ」と言ったりするのだろうか?(たぶんそれはない)」という。でも、それはある…

「長州がつくった憲法が日本を滅ぼすことになる」 〜 城山三郎『落日燃ゆ』を読む

城山三郎の『落日燃ゆ』を読んだ。 落日燃ゆ (新潮文庫) 作者: 城山三郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1986/11/27 メディア: 文庫 購入: 7人 クリック: 94回 この商品を含むブログ (61件) を見る A級戦犯として文官ではただ一人死刑(絞首刑)に処せられ…

早乙女勝元『螢の唄』と東京大空襲

東京大空襲を題材にとったこの小説は3年前に新潮文庫入りした時買おうと思って買いそびれたのだが、東京大空襲の日である3月10日の日曜日に図書館で借りて、翌3月11日(東日本大震災の日)から読み始めて3月13日(大阪大空襲の日)に読み終えた。もとは映画…

星野智幸『ファンタジスタ』を読む

星野智幸の中篇集『ファンタジスタ』(集英社文庫2006)を読んだ。集英社文庫版(2006)は、今時の新潮文庫や講談社文庫や光文社文庫などと違って文字が小さかったが、大きな文字の版が出ていないのでそれは仕方がない。この中篇集には「砂の惑星」(雑誌初…

金子夏樹『リベラルを潰せ』を読む

正直言って国際政治には無知もいいところなのだが、ウラジーミル・プーチンという人間は昔から大嫌いだ。KGBにいた後ろ暗い過去、2006年のリトビネンコ毒殺事件をはじめとする数々の殺人事件にプーチンの関与があったのではないかと疑っていること、さらには…