KJ's Books and Music

古寺多見(kojitaken)の本と音楽のブログ

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

直木賞受賞当時「本格推理」や「純愛」をめぐる激論を巻き起こした東野圭吾『容疑者Xの献身』を改めて批判する

東野圭吾の『容疑者Xの献身』に対する批判はこれまでにも何度も書いたが、一度まとめておいた方が良いだろうと思ってネット検索をかけたところ、同書のハードカバー版が刊行されて直木賞を受賞し、評判をとった頃に書かれた、強く共感できる批判を2件みつけ…

アガサ・クリスティ『ミス・マープルと13の謎』(深町眞理子訳、創元推理文庫)を読む

前回に続いてアガサ・クリスティを取り上げる。最初に書いておくと、クリスティのミス・マープルものの短篇集である創元推理文庫の『ミス・マープルと13の謎』(深町眞理子訳, 2019)とハヤカワ文庫の『火曜クラブ』(中村妙子訳, 2003)は同じ作品の翻訳だ…

アガサ・クリスティ『ゴルフ場殺人事件』と東野圭吾『容疑者Xの献身』の感心しない「共通点」

初めにおことわりしますが、このエントリにはアガサ・クリスティ(1890-1976)及び東野圭吾の推理小説に関するネタバレが思いっ切り含まれているので、それを知りたくない方は読まないで下さい。 今年(2021年)に入ってクリスティ作品を4冊読んだ。 実は私…