KJ's Books and Music

古寺多見(kojitaken)の本と音楽のブログ

江戸川乱歩

江戸川乱歩の発禁本「芋虫」は衝撃的/大岡昇平『レイテ戦記』第1巻(中公文庫2018年改版)と特攻隊

昨年(2021年)は読んだ100冊のうち42冊がアガサ・クリスティだった。今年はその比率を減らそう、というより自動的に減ることになる。というのは、ポワロもの長篇の6割(33冊中20冊)とミス・マープルもの長篇の半分(12冊中6冊)を読み終え、短篇集も半分以…

『容疑者Xの献身』再々論〜東野圭吾は「出題を理解できない読者」を挑発していた/A.A.ミルン『赤い館の秘密』/江戸川乱歩がクリスティの『予告殺人』を激賞した理由/小説と戯曲・映画で異なる『そして誰もいなくなった』の結末

江戸川乱歩が選んだミステリ十傑のひとつであるA.A.ミルン(1882-1956,『クマのプーさん』の作者として有名)の『赤い館の秘密』(創元推理文庫, 2017年の山田順子による新訳版)を読んだ報告から始める。今からちょうど100年前の1921年の作品で、アガサ・ク…

乱歩と清張:江戸川乱歩『D坂の殺人事件』(角川文庫)を読む

最初に、このエントリにはネタバレが含まれていることをお断りしておきます。 前エントリの佐々木譲『エトロフ発緊急電』の前、2月最初に読んだのが江戸川乱歩の『D坂の殺人事件』(角川文庫)。どういうわけか、最近岩波を含めたあちこちの文庫本から乱歩の…