KJ's Books and Music

古寺多見(kojitaken)の本と音楽のブログ

バッハ

トルストイ「クロイツェル・ソナタ」を読む (第3回) トルストイの小説中のベートーヴェンのソナタの描写が実際の曲の流れと合っていない。この矛盾を解消した小説の改変版が広く流布している

先週公開したガストン・ルルーの『オペラ座の怪人』の記事に、トルストイが『アンナ・カレーニナ』の中で、後年『オペラ座の怪人』ヒロインのモデルとされたスウェーデン出身の女声オペラ歌手に言及していたことに触れたので、3回連載を予告しながら未だに締…

岡田暁生「バッハこそ『超近代』の作曲家」、片山杜秀「かつての古楽が現代のミニマル・ミュージックとして再び聴かれるようになった」「『ミリオタ』のショスタコーヴィチには全体主義的な響きがある」etc.

岡田暁生と片山杜秀が『ごまかさないクラシック音楽』というタイトルの対談本を新潮選書から出したらしく、本を宣伝するための対談記事が新潮の『波』のサイトに載っている。 www.shinchosha.co.jp ebook.shinchosha.co.jp 私が読んだのは対談の方だけだが、…

伊藤潤二のホラー漫画『中古レコード』に出てくる「ポーラ・ベルのスキャット」のモデルはスウィングル・シンガーズがスキャットで歌うバッハのパルティータ第2番のシンフォニアなのか?

1回飛んでしまったスウィングル・シンガーズの記事に今回で区切りをつけたい。 バッハをスキャットで歌って60年前に一世を風靡した当時フランスのグループ、スウィングル・シンガーズのデビューアルバムに、バッハのチェンバロ(ハープシコード)のためのパ…

YMOのデビューアルバム冒頭に収録された「コンピューター・ゲーム “サーカスのテーマ”」に出てくる葬送行進曲が懐かしかった/バッハの音楽に頻出する不協和音のこと/シェーンベルクの妻と画家の不倫&画家の自殺の痛手から無調音楽が生まれた

先週月曜日(4/10)に公開した下記記事に続いて、坂本龍一とYMO、それにスウィングル・シンガーズによるジャズのバッハなどの話をする。 kj-books-and-music.hatenablog.com 歳をとることの最大のメリットは、生きてきた間に起きたいろいろな変化を思い起こ…

バッハの音楽を「ダバダバ」で歌って1960年代に一世を風靡したスウィングル・シンガーズについて

亡くなった坂本龍一がバッハに傾倒していたことから、昨日はバッハをジャズのアカペラ・ヴォーカル・グループであるスウィングル・シンガーズがスキャットの歌唱法(歌詞なしの「ダバダバ」)で歌った動画(あるいは静止画と音声)をずっとYouTubeで視聴して…

三十数年ぶりにバッハの「ゴルトベルク変奏曲」にはまった(後編)/第30変奏「クォドリベット」は2つの古い民謡「キャベツとかぶ」と「長いことご無沙汰だったね、さあおいでおいで」の旋律とバッハの自虐ネタで閉じられ、美しいアリアが帰ってくる

前回に続く、ゴルトベルク変奏曲の記事の後半。 今回の記事を書くためにかけたネット検索で、バッハがゴルトベルク変奏曲を作曲するヒントになったと思われるドイツ北部・リューベックの作曲家、ブクステフーデの「アリア『ラ・カプリッチョーザ』による変奏…

三十数年ぶりにバッハの「ゴルトベルク変奏曲」にはまった(前編)/第15変奏はキリストと十字架を象徴し、第16変奏はキリストの復活を告げる序曲(ピアニスト・高橋望氏)

AppleによるとMacの寿命は4年らしいが、2009年Lateに製造された21.5インチのiMacを2010年6月頃に買って12年半も使ってしまった。ここ数年ははめちゃくちゃな動作の遅さになっていたし、ハードディスクの寿命(今でも耐用年数は5年くらいとされているらしい)…