KJ's Books and Music

古寺多見(kojitaken)の本と音楽のブログ

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

吉行淳之介の短篇「あしたの夕刊」とつのだじろうの漫画『恐怖新聞』、それに石川淳、ムソルグスキー

下記のアンソロジーを読み終えた。 名短篇、ここにあり (ちくま文庫) 作者: 北村薫,宮部みゆき 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2008/01/09 メディア: 文庫 購入: 7人 クリック: 49回 この商品を含むブログ (64件) を見る これは11年前に出た文庫本だが、…

小松左京「眠りと旅と夢」(1978)に「携帯電話」が出てきた

まず現在読んでいる本から引く。 村上さんのところ (新潮文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/04/27 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (6件) を見る この本は473件の質問に村上春樹が答えるという趣向で、その後プロ野球セ・リー…

『エトロフ発緊急電』の著者・佐々木譲氏の一族は択捉島出身だった

「北方領土の日」であったらしい一昨日(2/7)に公開した記事*1に「四国遍路」さんからコメントをいただいた。 kj-books-and-music.hatenablog.com 四国遍路 本書を含むいわゆる「太平洋戦争3部作」を 読んでから佐々木譲さんの著作はほとんど読んでいるもの…

乱歩と清張:江戸川乱歩『D坂の殺人事件』(角川文庫)を読む

最初に、このエントリにはネタバレが含まれていることをお断りしておきます。 前エントリの佐々木譲『エトロフ発緊急電』の前、2月最初に読んだのが江戸川乱歩の『D坂の殺人事件』(角川文庫)。どういうわけか、最近岩波を含めたあちこちの文庫本から乱歩の…

佐々木譲『エトロフ発緊急電』を読む

佐々木譲が1989年に書いた小説『エトロフ発緊急電』(新潮文庫)を読んだ。太平洋戦争の直前、真珠湾攻撃を前にしたアメリカの対日諜報活動に、日系2世のスパイである主人公がかかわるエンターテインメント系冒険・歴史小説。真珠湾攻撃をかけた日本海軍の機…