KJ's Books and Music

古寺多見(kojitaken)の本と音楽のブログ

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「下請けいじめ」を描いた松本清張『湖底の光芒』とカルロス・ゴーン

2012年に刊行が始まった光文社文庫の「松本清張プレミアム・ミステリー」のシリーズは、2017年の第4期まではかつて同社の「カッパ・ブックス」から出ていた本を文庫化したものだったが、昨年から来月2月8日発売の『中央流沙』までの第5期8作品は、光文社から…

高橋敏夫『松本清張 「隠蔽と暴露」の作家』に欠落している視点

光文社文庫から出ている「松本清張プレミアム・ミステリー」第5期全8タイトルのうち、今日から読み始めようと思っている『湖底の光芒』を読んだら、あとは2月8日発売予定の『中央流沙』を残すのみになる。これまでの4期21タイトルは全部読んだから、しばらく…

大作曲家アントン・ブルックナーは「計数マニア」だったか - 松本清張『数の風景』より

食わず嫌いを貫いてきた松本清張に突然はまったのは、2013年の晩秋に『Dの複合』を読んだ時だった。これが初めて読んだ清張作品だったが、頁をめくる指が止まらなかった。以後病みつきになり、昨年末までで110タイトルを読んだ。上下本や、文春文庫新装版で…

ユン・チアン『ワイルド・スワン』の下放体験と小松左京「やぶれかぶれ青春記」の学徒動員体験とがそっくりな件

結局このブログを9か月も放置してしまった。ブログの更新を繰り返していくうちに、どんどん細部にこだわって超長文になるうえ、膨大な時間がかかるので、ついつい書き切れずに破綻してしまった恰好だ。 今年1月28日(もう2週間後だ)に「はてなダイアリー」…